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2013年10月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

オレたちの明日に向かって

八束澄子/著 ポプラ社

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あらすじ

 中学2年生の勇気は、勉強はいまいち、バスケ部では監督に怒られてばかりでさえない毎日を送っていました。 ところが、ジョブトレーニング(職業体験)で保険代理店の今井さんのところに行ったことにより、勇気は少しずつ変わっていきます。


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おすすめポイント

 ティーンズのみなさんも経験したことがあるであろうジョブトレーニング。この話の主人公・勇気は、それほど保険に興味があるわけではなく、なんとなく今井さんのところに行くことになりました。と、この話の流れだと、勇気がジョブトレーニングを経験した結果、将来保険屋さんを目指すという展開になりそうですが、勇気に劇的な変化は起こりません。けれども、ジョブトレーニングを経験したおかげで、憧れの女の子と話せるようになったり、部活で怒られてもめげずに取り組めるようになっていきます。勇気が、ジョブトレーニングを経験して、「この社会のどこかに自分の居場所と仕事がある」という手ごたえと安心感を感じる場面がとても印象に残ります。

by大和田図書館teens担当 I

まほろ駅前多田便利軒

三浦しをん/著 文芸春秋

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あらすじ

 東京のはずれにあるまほろ市で、多田啓介は便利屋を経営していた。草刈りや、塾の送迎などどこにでもあるような依頼をこなし、平穏な暮らしをしていたが、ひょんなことから多田のもとに、高校の同級生・行天春彦(ぎょうてん はるひこ)がやってくる。その行天が来てからというもの、何故か面倒な事件、依頼が舞い込んで…。

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おすすめポイント

 便利屋に変人の行天がころがりこんできてから、やくざにからまれたり、小学生の麻薬運びに関わることになったり、多田の周りでさまざまなことが起きます。展開が早いので楽しく読み進められます。また少しずつ明らかになる行天の過去にも注目です。まほろ駅シリーズに「まほろ駅前番外地」もあります。こちらも読んでみてください!

by勝田台図書館teens担当 Y

コンビニたそがれ堂

村山早紀/著 ポプラ社

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あらすじ

 本当に大切な、心から探しているものがある人だけが辿り着くことができる“コンビニたそがれ堂”。 そこには、銀色の髪に金色の瞳をしたイケメンのお兄さんがいて、探しているものが絶対置いてあるという不思議なコンビニ。さて、今日はどんなお客さんが辿り着くのか…。


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おすすめポイント

 “コンビニたそがれ堂”はシリーズになっていて、今回紹介する第1弾には、5話の短編が収録されています。どのお話も”大切だったのに失ってしまったものに、もう一度会いたい”という主人公たちの気持ちがすごく伝わってきて、時に切なくなってしまいますが、読み終えた後は不思議とあったかい気持ちになれます。とっても優しいファンタジー小説なので、落ち込んでいる時や、頑張りすぎてなんだか疲れてしまった時などに読むと、ほっとできたり、優しい気持ちになれたりするんじゃないかと思います。コンビニたそがれ堂シリーズは、風早の街を舞台にした物語のひとつで、他に『カフェかもめ亭』『海馬亭通信』があります。こちらもおすすめです。

by緑が丘図書館teens担当 N