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2016年7月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

浜村渚の計算ノート

青柳碧人(あおやぎ あいと)/著 講談社

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あらすじ

 学校教育から数学が消えた日本が舞台。そのことに異を唱えたテロ組織が、次々と事件を起こします。テロに対抗すべく警視庁に協力者として迎えられたのが、ごく普通の女子中学生、浜村渚でした。大人にも解けない難事件を数学を使って見事に解決していくミステリーです。

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おすすめポイント

 計算ノートというタイトルから難しい数学の話が想像されてしまいますが、コメディをはさんでテンポよく展開する読みやすいお話です。数学はちょっと苦手という方も、楽しく読んでいるうちに「フィボナッチ数列」などという難しい数学用語にも詳しくなれますよ。続編も6冊ありますので、気に入った方は読んでみて下さいね。

by緑が丘図書館 Z

ナミヤ雑貨店の奇蹟

東野圭吾/著 角川書店

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あらすじ

 現在は廃業しているけれど、かつてはどんな悩みの相談にも乗ってくれたという「ナミヤ雑貨店」に潜り込んだ三人の少年。雑貨店の閉じたシャッターの郵便口から届いた過去からの手紙に、知識や経験のまだ浅い少年達が返事を書いて牛乳箱に入れると…。手紙のやりとりを通して、人と人との絆が過去と現在を超えてつながっていく物語。

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おすすめポイント

 現代では、コミュニケーションの手段としてメールを使うことが多く、手紙を交換することはあまりないかと思います。もしも、あなた自身ではなく、手紙がタイムスリップをし、過去の人間と手紙の交換ができたとしたら、あなたならどのような手紙を書きますか?過去の人間と手紙の交換ができる不思議な「ナミヤ雑貨店」の謎が解けたとき、すべての出来事がつながって、不思議な驚きと感動で胸がいっぱいになることでしょう。

by緑が丘図書館 N

山椒大夫・高瀬舟

森鷗外/著 新潮社

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あらすじ

 舞台は徳川家が繁栄した江戸時代。島流しに処せられた京都の罪人を大阪へ護送する高瀬舟の船上で、罪人・喜助は、これから島流しにされるというのになぜか安堵し、落ち着き払っている。弟殺しにより、罪人になってしまった兄の物語。

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おすすめポイント

 この本に収録されている高瀬舟をおすすめします。大正時代に書かれた作品ですが、現代に通じる鮮明さがあり、物語に出てくる人物は少ないですが、内容が濃く、読んでいくうちにどんどん引き込まれていく魅力があります。生きるとは何か、死とは何か、人生について考えさせられる物語。お堅く思われがちですが短編小説なので、是非気軽に手に取って欲しいです。

by緑が丘図書館 KJ