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2017年4月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

恋する日本語

小山薫堂(くんどう)/著 幻冬舎

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あらすじ

 「あえか」「紐帯(ちゅうたい)」「那由他(なゆた)」…耳にしたことはあるけれど、よくわからないこの言葉。意味をひもいといてみると、恋心の機微が溢れてきます。甘くて切ない、35のちいさな恋の物語。

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おすすめポイント

 美しい日本語の響き。日本語って、こんなに美しかったのだなぁと再確認でき、改めて言葉の大切さを思います。1ページに収まるショートストーリーなので、どこからでも読めます。 テレビドラマにもなりました。装丁も、とてもかわいらしいです。

by緑が丘図書館 キラキラ

ルリユール

村山早紀/著 ポプラ社

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あらすじ

 13歳の瑠璃は、夏休みにおばあちゃんの家に行き、犬の散歩の途中で魅惑的な洋館『黒猫工房』を見つけます。「あなたの大切な本を修復致します」と看板の出ているその洋館は、ルリユール(本の修復師)であるクラウディアの工房でした。この工房を舞台に、大切な人や物に心からの想いを込めた、本を愛する人の美しく不思議な物語が繰り広げられます。

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おすすめポイント

 人の気持ちを大切に描いている、優しく温かい格調高いファンタジーです。美しく洗練された文章、耳に心地よく優しい響きをもつ言葉で紡がれています。忙しい毎日の中でも一つの本の世界にゆっくり入り込むような読書の楽しさを味わえるでしょう。また、洋館、クラウディア、7匹の猫の登場で、現実離れした不思議なストーリーの中に入っていけるのも、この本の魅力です。

by緑が丘図書館 まっP

雷の季節の終わりに

恒川光太郎/著 角川書店

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雷の季節の終わりにの表紙画像

あらすじ

 賢也は、現世から少しずれた空間にある隠れ里『穏(オン)』で育った。穏には春夏秋冬の他に雷季がある。賢也は里のある秘密をしってしまい、自分に取り憑く『風わいわい』と共に穏を追われることになった。一方、父の再婚相手の女に殺されそうになり、家出をした茜。肩に鳥のもののけを乗せた男から、穏に行くためのテストを受ける。はたして賢也と茜の運命とは?

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おすすめポイント

 穏には現世とあの世の境目があり、賢也はそこの門番と会話を重ねるうちに、ある秘密に気がついてしまいます。仲の良かった友人、穂高との突然の別れ。二度と穏に戻れない切ない気持ち。
 継母のせいで自分の居場所を失った茜も、戸惑いつつも自分の運命を受けいれ、強く生きていく決心をします。
 恒川光太郎のファンタジーホラーの世界。冬から春へ季節が変わり新しい環境に変わる人も多いと思いますが、そんな不安な気持ちを乗り越えたい時にぜひとも読んでほしい作品です。

by緑が丘図書館 小春日和