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2017年7月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

でーれーガールズ

原田マハ/著 祥伝社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でーれーガールズの表紙画像

あらすじ

 主人公、鮎子は漫画家として成功し多忙な日々を過ごしている。ある日卒業した女子高から同窓会に招かれ、27年ぶりにクラスメートと再会し高校時代の記憶をよみがえらせる。そこには親友、武美との胸が痛む思い出があった。恋人との恋愛をもとに描いた漫画を、偶然武美に見られたことをきっかけに友人関係が思いがけない方向に進んでいったのだ…。

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おすすめポイント

 タイトルにもある”でーれー”は岡山の方言で”すごい”という意味です。岡山の町の風景、当時のクラスメートの雰囲気、女子高ならではの様子、鮎子が漫画にかける思い、どれも鮮明に伝わってきます。武美との友情と誤解は読んでいて胸が痛くなりますが、鮎子の懸命さに心を惹かれます。また再会を通してそれぞれの人生に思いをよせあう二人に出会いの大切さをしみじみと感じます。女の子におすすめしたい青春ストーリーです。

by緑が丘図書館 H・M

一〇〇年前の女の子

船曳(ふなびき)由美/著 講談社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇〇年前の女の子の表紙画像

あらすじ

 明治42年8月10日、カミナリが落ちた栃木県足柄郡筑波村にあった高松という小さな村で生まれた女の子。その子はテイと名付けられ、実母を知らずに育ちました。そして16歳で東京へ行き、100年を生き抜きました。テイが米寿(88歳)を過ぎてから幼い頃の事を語りだしたのを、テイの次女であり、編集者でもある著者が書き記した伝記です。テイの成長と高松村の四季折々の情景が、色鮮やかに描かれています。

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おすすめポイント

 テイの潔い生き方と日本の原風景に心が洗われたような清々しい気持ちになります。
 いつの時代のどんな境遇にいても、周りの人に助けられながら、自分らしく生きていくことに変わりはありません。明治、大正、昭和を駆け抜けたテイの前向きな生き方が、私たちを励ましてくれます。人生の道標になる一冊です。

by緑が丘図書館 凜

明日の子供たち

有川浩/著 幻冬舎

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明日の子供たちの表紙画像

あらすじ

 児童養護施設「あしたの家」の新任職員、三田村慎平。着任早々生活態度も職員との関係も良い「問題のない子供」の奏子(かなこ)から「慎平ちゃん」というニックネームをつけてもらう。順調な滑り出しと思いきや、その後、なぜか奏子から急に「三田村先生」と呼ばれるようになり、距離を感じ困惑する。そこにはある理由が…。

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おすすめポイント

 この本は、著者の有川浩さんへ実際に届いた、ある児童養護施設の子供からの手紙がきっかけとなり、綿密な取材を基に書かれたノンフィクションに近い作品です。「施設の子供はかわいそうな子供ではない」「施設へ関心を寄せて欲しい」そんな思いが込められています。テーマこそ重いですが、そこは有川作品。笑いあり、感動あり、ラブコメ要素もあり、一気に読みたくなる一冊です。

by緑が丘図書館 K