2017年8月
絲山秋子/著 文藝春秋
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あらすじ
「私」と太っちゃんは、見られたくない情報がたくさん入った自分のパソコンを、死んだらどうするかという話をします。そして、どちらかが先に死んだら残ったほうが相手のパソコンを破壊するという約束をしました。その後、不慮の事故で太っちゃんは死んでしまい、「私」は約束を果たすため太っちゃんの部屋に忍び込みます。するとそこには…。同期で入社した男女の友情がユーモラスに描かれています。
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おすすめポイント
人が死んでしまうのは悲しくさびしいものですが、この本ではそんな気持ちがなぜか起こりません。それは、二人を取り巻く環境や友情の過程が、楽しく、時には笑えるほどに明るく表現されているからかもしれません。ただし単なるコミカルなお話ではありません。読後はじんわりとした感動にひたれます。
by緑が丘図書館 青い猫
ケイト・ペニントン/作 柳井薫/訳 徳間書店
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あらすじ
この物語は、男性も女性も豪華な衣装を着ることが好まれたエリザベス一世の時代が舞台です。プロテスタントとカトリック派の勢力が水面下でせめぎ合う状況の中、お針子の少女メアリーは女王暗殺の陰謀を知り、女王を救おうと奔走します。
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おすすめポイント
細々とした職人の日常と、王宮でのドラマチックな出来事を上手く織り込んで描かれている作品です。実存した人物を巧みに配し、スリルとサスペンス、ロマンチックな雰囲気もあり、夢中になって読めるので、ティーンズ向け歴史小説としてお薦めの一冊です。
by緑が丘図書館 まっPi
橘哲雄/著 彩図社
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あらすじ
皆さんは110番の正式名称を知っていますか?「警察通報用電話」といいます。通報を受けて最初に応対するのが通信指令課(通信指令センター)です。著者は通信指令課の責任者の一人として働いていました。その時、実際に体験したことや見聞きしたふしぎな通報を紹介しています。
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おすすめポイント
この本は1つ1つの内容が短く簡単に読めます。なんで110番に!?と驚くような事柄が載っていて面白いです。例えば、小さい頃に親にお年玉を預けて返ってこなかった経験がある人もいると思います。本書では、実際にその体験をした小さい子が110番してきた様子なども書かれています。著者によれば、正月明けにはこの手の電話が増えるそうです。大変面白い本なのでぜひ読んでみてください。
by緑が丘図書館 ブリッジ