2017年9月
ジェイムズ・リーバンクス/著 濱野大道/訳 早川書房
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あらすじ
ピーターラビットのおはなしの舞台として有名なイギリスの湖水地方。そこで代々引き継がれてきた羊飼いの家の仕事や暮らしについて、著者が子供の頃からの記憶などを交えて、温かい視点で書き綴っています。人気の観光地として世界中の人々が憧れる美しい田園風景からは、想像もできないような厳しい現実やこの地が発祥のナショナルトラストの自然保護活動について四季の移ろいとともに語られています。
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おすすめポイント
広大で緑豊かな牧草地に羊の群れ…イギリスの長閑(のどか)な景色には、この土地で暮らす人々の大変な努力と忍耐力が注がれていました。著者が幼いころから見てきた羊飼いの暮らしぶりが、様々な年中行事や成長していく彼の視線を通して素直に語られているのが魅力的です。読後は、湖水地方の美しい風景に深みが増して、より一層耀いて心に残る気がします。
イギリスびいきの方はもちろん、まだ訪れていない方にも是非読んでいただき、湖水地方の風を感じていただければと思います。
by緑が丘図書館 猫キック
養老孟司/著 新潮社(新潮新書)
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あらすじ
男性と女性、若者と老人、なぜお互いに話が通じないのか?「知ろうとしてくれない人にいくら説明しても理解してもらえない事、それは「バカの壁」が立ちはだかっているからだ!」(本文より)
著者は『「話せばわかる」は大嘘』と痛感した大学での体験例や、人生でぶつかる諸問題、社会問題などを壁にみたて、論じています。そのいろいろな壁を知ることで世界の見方がわかってきますし、諸問題の「解」(正解ではなく解答)をみつけられるのでは?と私たちに投げかけています。
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おすすめポイント
皆さんは理解してもらえなかった経験はありませんか?そんな時は理解してもらえない事を思い悩むのではなく、壁があるからしかたがないと、壁に固着せず違う視点から物事を見てみると、世界が広がります。多様な角度から物事を見ることが大切なのだと思わせてくれる本です。
by緑が丘図書館 かじろん
新潮社/編 新潮社
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あらすじ
本は色々と読んでいくうちにどんどん増えていきます。この本では、そんな増えていく本の『本棚』に対し、赤川次郎や小野不由美、椎名誠や児玉清、池上彰などの読書家が『本棚』についての思い出や理想の『本棚』への思い、『本棚』での失敗談などを書いています。
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おすすめポイント
本が増えていくとそのうち本棚が必要になります。本棚は人それぞれ理想とするものが違っています。部屋全体、天井まで本棚がいい人もいれば、一つの本棚だけあればいいという人もいます。この本を読み進めていくうちに読書家の本棚に対する思いに共感したり、自分なりの新しい理想が生まれてきたりします。また、読書家が理想の本棚を作った時の失敗談なども読めて興味深いです。本好きの人にぜひ読んで欲しい一冊です。
by緑が丘図書館 ブリッジ