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2018年1月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

さよならドビュッシー

中山七里/著 宝島社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さよならドビュッシーの表紙画像

あらすじ

 遥はピアニストを目指す16歳の女の子。家も裕福で資産家の祖父と両親と暮らしていましたが、ある夜、家が火事に見舞われ、祖父と従妹は焼死。自身も全身に大火傷を負ってしまいます。高度な皮膚移植手術に耐えながらの必死のリハビリで、閉ざされそうになるピアニストの道を目指して過酷な挑戦をしますが、そんな彼女のまわりで、不穏な出来事が起こり始めます。

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おすすめポイント

 苦しい環境の中、夢に向かって頑張る少女の姿とミステリアスな事件が同時に繰り広げられています。クラシックやピアノが好きな人なら、きっと主人公の気持ちとともに音楽が聞こえてきそうなくらい描写が素晴らしいです。この小説の結末にはアッと思う読者が多いと思います。

by緑が丘図書館 H.M

禅入門 ~ わかりやすい禅&坐禅 ~

淡交社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 禅入門の表紙画像

あらすじ

 「禅」とは何か。現代では、多くの人が、心の豊かさを求めて禅や座禅に興味を示しています。そして、誰もが禅や座禅という言葉の響きの中に、深い神秘性を抱いています。この本は、なんとなく難しいと思いがちな禅の世界をやさしく解説しています。「禅とはこころの名なり」といわれるように、私たちの日常生活の姿そのものが禅の生き方だということが分かります。また、禅僧の一日も、写真によって体験したような気になれる、とてもわかりやすい入門書です。

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おすすめポイント

 皆さんは座禅を組んだことがありますか?ぜひ一度、この入門書に従って、座禅を組んでみてください。座禅を組むと、心が落ち着いて、平常心をとりもどすことができます。また、無心でひとつの事に打ち込むと、座禅と同じ心の平和を感じることができます。座禅を通して自己と向き合い、本当の自分を見つける旅に出かけてみましょう。

by緑が丘図書館 COCOA

レーナの日記

エレーナ・ムーヒナ/著 佐々木寛/訳 吉原深和子/訳 みすず書房

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・レーナの日記の表紙画像

あらすじ

 ナチス・ドイツとソビエト連邦が戦闘を開始した1941年9月、ドイツ軍はレニングラードの町を包囲し、そこで暮らす人々の生活を追い詰めていきました。そこで暮らす人々は、冬の寒さや食料を絶たれたことによる飢餓により次第に人間性を失っていきます。温かだった家の思い出を心に留め、16歳のレーナは日記に自分の悲しみや恐怖を記すことで怒りを鎮めました。未来あるものにしようと自分の夢も綴り、生き延びていくのですが…。

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おすすめポイント

 北朝鮮と米国が核を保有し、牽制し合う今、いつ戦争が起きてもおかしくないという不安や焦りを感じている人も多いのではないでしょうか。この日記の戦争への重圧と今の状況が似ていて、読むと他人事ではないと感じます。16歳とは思えない細やかな描写と言葉の選び方、戦争のさなかに冷静な視点で書かれた日記に驚きを覚えることでしょう。ぜひ一読を。

by緑が丘図書館 サブ