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2018年4月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

ノボさん ~ 小説正岡子規と夏目漱石 ~

伊集院静/著 講談社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノボさんの表紙画像

あらすじ

 松山弁丸出し、自由奔放で人なつっこく、考えるより行動が早い正岡子規は幼名の「升(のぼる)」から「ノボさん」と呼ばれ、誰からも愛されていました。育ちも性格も正反対の夏目漱石とノボさんとの友情を軸に、句会や文芸誌を通じて集まった仲間たちとの熱い交流が描かれています。町衆の遊びとしかとらえられていなかった俳句を文芸に高め、後輩の俳人や作家をたくさん育てた子規の、短くも豊かな人生の物語です。

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おすすめポイント

 句会メンバーである、夏目漱石、森鴎外、高浜虚子、伊藤左千夫など、後に文豪や巨匠といわれた作家・俳人たちが子規の家を度々訪れます。その際のユーモラスなやりとりやエピソードが盛りだくさんに語られ、とても興味深く、物語に引き込まれていきます。損得勘定がなく、涙もろい子規という人物は魅力たっぷりです。晩年、病床にあって、妹「律」の看病を受けながら、なお創作に取り組む姿は涙を誘われます。長生きしていたなら、日本文学にもっと大きな足跡を残したのではないか、読むとそう思わずにはいられなくなるおすすめの一冊です。

by緑が丘図書館 リッキー

フリーター、家を買う。

有川浩/著 幻冬舎

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フリーター、家を買う。の表紙画像

あらすじ

 主人公の誠治は大学を卒業して就職しますが、仕事が合わないと感じ、すぐ辞めてしまいました。自己中心的で怠惰な生活を送っていましたが、母の病気をきっかけに初めて家族や自分自身と向き合います。人生からちょっと寄り道してしまった主人公が、試験や人との出会いを通して成長していくストーリーです。

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おすすめポイント

 怠惰でダメな主人公が様々な出来事や人との出会いの中で精神的に強くなり、成長していく様子は、読んでいて晴れやかな気持ちになります。困難なことに立ち向かい少しずつ変わっていく主人公を通して、ネガティブなこともポジティブなことに変えられるという作者の想いが伝わります。

by緑が丘図書館 H.M

あなたの脳のしつけ方

中野信子/著 青春出版社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あなたの脳のしつけ方の表紙画像

あらすじ

 脳科学者である著者の中野信子さんが、脳の機能をやさしく説明した本です。日常で起きる失敗と脳の関連性が分かりやすく書かれています。集中力・記憶力などの項目ごとに脳の癖をコントロールし、”しつけ”る方法を紹介します。

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おすすめポイント

 脳の機能の解説だけでなく、例えば片付けや順序立てた思考が苦手といった、遺伝的な原因による脳の癖も、対処方法があり、どうにもならないとあきらめる必要はないと教えてくれます。脳の説明を読み進めるうちに、そうだったのかと納得させられる楽しい本です。

by緑が丘図書館 E.M