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2019年5月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

僕のアバターが斬殺(や)ったのか

松本英哉/著 光文社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕のアバターが斬殺ったのかの表紙画像

あらすじ

 高校生の日向朗(ひなた あきら)は、現実の世界とゲームの世界がリンクしたゲームアプリ『ジウロパ』の中で、仲間と一緒にレアアイテムを集めることに熱中していました。ある日、貴重なレアアイテム『神器(じんぎ)』を手に入れる為、セルパンというアバターと古いビルの一室で取引をすることになりました。しかし、ささいなことで口論となり、朗のアバターはセルパンを刀で斬りつけてしまいます。翌日、現実世界の朗がセルパンを倒した場所で死体が見つかり、朗は驚愕します。果たして朗は、アバターを使って本当に人を殺してしまったのでしょうか…。

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おすすめポイント

 朗は、同じ高校に通う探偵の御影雫(みかげ しずく)に事件の調査を依頼します。そこから二人が体験する謎解きや更なる事件には、読んでいてハラハラしたり頭を悩ませたりさせられます。朗は殺人犯になってしまうのか、是非読んで確かめてみて下さい。

by緑が丘図書館 だんご

螺旋階段のアリス

加納朋子/著 文藝春秋

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 螺旋階段のアリスの表紙画像

あらすじ

 会社の「転身退職者制度」を利用して、念願の探偵事務所を設立した仁木。なかなか現れない依頼人を待っていると、猫を抱いた美少女・安梨沙がやってきます。探偵助手になった安梨沙と二人で事件を解決していく連作短編集です。

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おすすめポイント

 舞い込んでくる依頼は、「亡き夫が隠したという貸金庫の鍵を探して欲しい」「行方不明の犬を見つけてほしい」など、日常の困りごとばかりですが、依頼主それぞれの物語がどれも切なくてあたたかいです。登場人物やストーリーが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をモチーフにしているので、それらを読んでいるとより楽しめます。続編『虹の家のアリス』も面白いので、是非読んでみて下さい。

by緑が丘図書館 momo

ゲゲゲの女房

武良布枝/著 実業之日本社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゲゲゲの女房の表紙画像

あらすじ

 この本は、漫画家・水木しげるさんの妻・布枝さんの自伝的エッセイです。自然の中でおてんばに育った少女時代。家業を手伝っていた青年時代。武良茂(水木しげる)さんとの結婚。底なしの貧乏だった新婚生活。代表作であるゲゲゲの鬼太郎の誕生と多忙な日々の話など、まるでアルバム写真を見るように綴られた一冊です。

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おすすめポイント

 著者は自らを平凡な人間と語っていますが、実はとてもポジティブで、小さな幸せを見つける名人です。底なしの貧乏だった時に水木さんの原稿を手伝ったこと、一緒にプラモデルを作ったことなどを嬉しそうに書いていることからも、それがよくわかります。お二人の仲睦まじい様子が、ほんわかと温かい気持ちにさせてくれる素敵な本です。ぜひ読んでみて下さい。

by緑が丘図書館 ブリッジ