2016年5月
島田洋七/著 徳間書店
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
主人公、小学生の昭広は慕っていた母親から強引に離され、佐賀に住んでいる祖母と一緒に暮らすことになる。そこで待っていたのは貧しい生活だった。前向きなばあちゃんの生き方に支えられ、また周りの優しい人情に助けられながら成長していく昭広の姿を描いた心温まる作品です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
この物語はコメディアン島田洋七さんの自伝です。タイトルにある「がばい」は佐賀の方言で「すごい」という意味です。がばいばあちゃんのさまざまな名言が、生きることに対する力強いメッセージ性をもって、生涯にわたって昭広を支えてきました。人情や愛情の素晴らしさにも心動かされます。人生で悩んだ時や苦しい場面に立ち会った時に、読み返そうと本棚にしまっておきたくなる人生の教科書ともいえる本です。
by緑が丘図書館 M
アレックス・ベロス/著 水谷淳/訳 SBクリエイティブ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
「数字に対する人の印象」や、「ピラミッドに登らずその高さを測る」など、世界中で「数」に関する様々な研究が行われています。小学生で習う足し算やかけ算を応用したものから、数学を専門的に学ぶ大学で習うような項目まで、数にまつわるありとあらゆる学説を、研究例に挙げて紹介しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
3.14……のπは、「円を象徴するにはふさわしくない」という内容や、「紙を42回折ると月を通り過ぎ、92回折っただけで、観測可能な宇宙の端にまで達してしまう」など、数学上の面白い話がぎっしりとつまった一冊です。用語解説や索引もあり、わからない専門用語もすぐに調べられるので、とても読みやすく、数学に興味のある方もそうでない方にもおすすめしたい本です。
by緑が丘図書館 O
小路幸也/著 宮下奈都/著 ポプラ社
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
年は離れているけれど、小学生のまどかと高校生の由一は仲の良い兄妹。つむじが2つあるまどかはそれを“幸運の証”と母に教えられます。2人の人気作家が兄と妹をそれぞれの視点で描いた家族の物語。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
かっこいい兄と可愛い妹、理解のある両親に尊敬できるおじいちゃん、おまけに皆仲良し。まるで理想を絵に描いたようなまどかの家族ですが、ある日かかってきた1本の電話から、家族に秘密があることが少しずつ明かされてゆきます。友情、恋、音楽など、日常の風景が優しく描かれ、家族の抱える秘密も、ただそれをあばくのではなく、親しい間柄であってもその人にとって大事なものは、そっと包んでしまっておいてあげる…。そんな思いやりに心が暖まります。妹のパートを執筆したのは今年本屋大賞を受賞された宮下奈都さん。気に入ったら、受賞作品『羊と鋼の森』も読んでみてくださいね。
by緑が丘図書館 K