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2016年11月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

生きる意味

オスカー・ブルニフィエ/文 ジャック・デプレ/イラスト 藤田尊潮/訳 世界文化社

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あらすじ

 人はなぜ生きるのだろう?ひとつの考え方では答えきれない問いかけに対する様々な答えが描かれている。登場キャラクターが自分自身と重なり考え方のプロセスがやさしい言葉で説明される。哲学書なので物語のようにストーリーはないが、多様な考え方を受け入れていく大切さに気付かされる。

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おすすめポイント

 写真絵本スタイルのこの一冊は、なんと哲学の本です!生きる意味とは何か?―この基本テーマを、愛くるしいキャラクターとシンプルな文章で優しく案内しています。各ページに散りばめられたデザイン性の高い写真、綴られる言葉は、人としての生き方を見つめていくヒントがいっぱい。世界19ヶ国で翻訳された話題のシリーズ絵本、ぜひ手にとってみてくださいね。

by緑が丘図書館 M

あかんべえ

宮部みゆき/著 PHP文芸文庫 PHP研究所

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あらすじ

 小料理屋「ふね屋」の最初の客の宴席で、幽霊騒動が起きる。それは、この建物に住む5人の幽霊――その1人の仕業だった。何故か5人の姿が見える「ふね屋」の娘おりんは、彼らが成仏できるように、「心残り」を探し始める。そこに浮かび上がったのは、30年前の恐ろしい事件だった…。

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おすすめポイント

 この本は「12歳の女の子が幽霊騒動を解決する話」であると同時に、「ふね屋」の物語でも、「30年前の事件」の物語でもあります。それだけでなく、深読みすると張りめぐらされた伏線が見えてきて、更に複雑化します。1度読んで「面白かった」で終わらせるのはもったいないです。ぜひ繰り返し読んで、様々な物語を楽しんでみてください。

by緑が丘図書館 おく姉

ペーパーボーイ

ヴィンス・ヴォーター/作 原田勝/訳 岩波書店

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あらすじ

 タイトルの“ペーパーボーイ”とは新聞配達をする少年のことです。夏の一ヶ月の間、友人のために新聞配達の仕事を交代することになった11歳の男の子が主人公です。仕事を通じて大人の世界に一歩踏み込むことで、年齢も立場も異なる人と出会ったり、事件に巻き込まれたり…と、思いもよらない出来事に遭遇します。

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おすすめポイント

 主人公の男の子はしゃべろうとすると言葉に詰まってしまう、吃音症という悩みを持っています。新聞配達の時に話す相手は、気心の知れた友人や両親ではなく、お客さんや仕事仲間。言葉ひとつひとつに悩み、そして、うまく伝えきれなかったとき、少年は気持ちを紙に記すのですが、その真摯な言葉は深く相手に届きます。「わたしが興味があるのは話の中身でそれをどれだけ上手にしゃべるかではない」これは、少年が配達先で言われた言葉です。普段何気なく口にし、耳にしている言葉を、もっともっと大事にしたくなる物語です。
 作者のヴィンス・ヴォーターさん自身も主人公と同じく吃音者で、自身の経験も織り込んで書かれたそうです。

by緑が丘図書館 むぎ