2018年10月
星乃あかり/著 小学館
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あらすじ
怪しい老婆とまるまる太った白猫が、朱塗りの太鼓橋の真ん中で、「玉占~たまうら~」と書いた行燈(あんどん)を掲げていました。老婆は、大きな壺から出てくる玉を使い、占いをしています。玉占を訪れた客が壺の中の玉を取り出すと、本人の欠点が明らかになり望みに見合った玉を貸してもらえます。弱気なお侍は「びびり玉」、忘れっぽい商人は「忘れ玉」。彼らは欠点をどうにかしたくて、老婆から「肝っ玉」や「覚え玉」を貰います。果たしてお客達の願いは叶うのでしょうか。
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おすすめポイント
この本は、玉占にやってくるお客ごとにストーリーが分かれているので、短編集のように読みやすいです。お客達に対して憎まれ口をたたく老婆が、結局は困っていた彼らを助けてしまう所にほっこりします。読んでいると、自分だったらどのような玉が出てくるだろうか、そして願いを叶えてくれるのはどのような玉だろうかと想像してしまいます。皆さんは、自分の望みに見合う玉は何だと思いますか?考えてみると面白いですね。
by緑が丘図書館 だんご
木村悦子/執筆 北澤功/監修 ベレ出版
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あらすじ
昨夜、庭にいたのはタヌキかアライグマか。この模様はジャガーかヒョウか。――姿が似ている生き物の「見分け方」のポイントを、YES・NOで判断するチャート診断と著者の体験談つきの解説で紹介しています。
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おすすめポイント
ムササビとモモンガのような、見た目が似ている生き物の「見分け方」だけでなく、カブトムシとクワガタのような、一目で違いが分かる生き物の意外な違いも説明されていて、「見分け方」に自信がある人もない人も楽しめます。また、巻末で参考文献として紹介されている『くらべてわかる哺乳類』や『絵で見て“ちがいがわかる”本』等もおすすめです。この本でそれぞれの生き物に興味を持ったら、そちらもぜひ読んでみてください。
by緑が丘図書館 おく姉
幸田文/著 青木玉/編 平凡社
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あらすじ
明治の文豪である父・幸田露伴に、雑巾がけから料理、身だしなみ、衣食住についてまで厳しくしつけられた著者の随筆集です。礼儀作法や家事など、生きるための知恵がつまっています。
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おすすめポイント
親子でも生活環境や価値観にギャップがあり、ケンカになることがありませんか。幸田文と父・幸田露伴の言葉は、お互いを理解する助けとなるでしょう。些細な出来事や小さな道具にも、ドラマがあり声が聞こえてくるような、新しい物事の見かたを教えてくれる1冊です。
by緑が丘図書館 碧