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2019年1月

「Teensおすすめ本」では、各図書館のTeensコーナー担当が毎月オススメの本を紹介していきます。本の書名をクリックするとその本の検索結果詳細にジャンプします。

着物おたすけ辞典

プレジデント社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・着物おたすけ辞典の表紙画像

あらすじ

 カジュアルなデニムからフォーマルなスーツまで色々な洋服があるように、着物や帯にも素材や色柄によって様々な種類があります。たとえば、普段着にもおしゃれ着にもなる紬(つむぎ)の着こなしとしては、色の濃淡、色数、柄の大きさ、生地の質感の四つのルールがあり、気軽なものからきちんとしたものまで、着物と帯の組み合わせ方を交えてわかりやすく説明しています。着物と帯の基本や、小物を使ったおしゃれの法則、お手入れ方法などを教えてくれる、着物のわからないことをお助けする辞典です。

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おすすめポイント

 日本人にとって着物は、大切にしたい伝統文化です。今時はネットで注文してお店にお取り寄せをして試着ができることも紹介されていて、洋服感覚で親しむことができます。基本を身に付けて着物に魅力を感じたら、奥深い着物の世界の扉を開けてみましょう。『食堂かたつむり』などで知られる作家の小川糸さんも登場しています。

by緑が丘図書館 COCONUT

俳句で夜遊び、はじめました

岸本葉子/著 朔出版

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あらすじ

 エッセイストとして知られる著者ですが、実は俳句もたしなんでいます。色々な句会に参加する内に「夜の句会」があることを知りました。そこで著者は、「夜」にしか出会えない季語があることに気づきます。夜の句会に参加するきっかけや、俳句を生み出す場面・心理が巧みな文章でつづられています。

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おすすめポイント

 今まで俳句を詠むのは昼間のイメージしかありませんでしたが、夜吟(よぎん)?夜に俳句を詠む?そんな世界があるのかと驚き、横浜ナイトクルーズや六本木の骨董店など意外な場所で夜の句会が催されていることを知りました。この本を読むと気軽に俳句に参加できる気がしてきます。人生を豊かにしてくれる一冊としてお薦めです。

by緑が丘図書館 おさんぽ大好き

つぼみ

宮下奈都/著 光文社

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つぼみの表紙画像

あらすじ

 この本は、2007年に話題となった「スコーレNo.4」のスピンオフを含む全6話の短編集です。主人公は、皆どことなく冷めている女性たち。物事に向こう見ずに飛び込むことはせず、いつも少し離れたところで自分の思考や行動を観察してしまう彼女達が、迷いながらも進むその先に、つぼみがほころぶような希望を見出す様子が描かれています。

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おすすめポイント

 全編を通して、明日咲くかもしれない「つぼみ」のような主人公たちに、そっと光が射すような、切なく温かいストーリーになっています。主人公が講師をつとめる生け花教室に、遠い昔に想いをよせた人の娘が現れる「あの人の娘」、10年余り消息不明だった幼なじみに会う複雑な気持ちを“心にキノコが生える”と描写する「ヒロミの旦那のやさおとこ」など宮下奈都が選ぶ繊細な言葉の世界には、イイ話だけで終わらない奥深さがあり、最後まで引き込まれます。もっと物語を深く読み込みたい方は、「スコーレNo.4」から読んでみるのもおすすめです。

by緑が丘図書館 K