2019年4月
ロコ・まえだ/著 柳原出版
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
象は「1頭」、お寿司は「1貫」のように、日本語にはたくさんの「数え方」があります。生き物、食べ物、植物など15の分野ごとに様々な数え方やその由来が絵を使って紹介されています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
ものを数える時に、「1本」も「1枚」も「1匹」もつい「ひとつ」や「1個」などと数えてしまいがちですが、この絵本を読むと、日本語にはこんなにも多くの数え方があることに驚かされます。神輿(みこし)は「1基」で、山車(だし)は「1台」なのはなぜなのかなど、正しい数え方がわかることで、古くからの日本の生活に思いを馳せて、気持ちが豊かになると思います。索引もありますので、身近な数え方を知りたい時はすぐに調べることができて便利です。全ページカラーで絵もかわいく、とても読みやすい一冊です。
by緑が丘図書館 キラキラ
野嶋剛/著 小学館
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
台湾という国は、戦前は日本に、戦後は中国に占領され属国となりました。その後も様々な困難を経験し、台湾出身の人々は故郷を何度となく失いますが、彼らは生きることを諦めず、多くのことを成し遂げています。この本は、著者が彼らを「タイワニーズ」と呼び、その経歴を物語としてつづった ノンフィクションです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
この本を読んで、私は台湾という国を正しく理解していなかったことに気づきました。日本にも台湾出身の有名人が多くいますが、ルーツを辿ると様々な経歴の持ち主がいることでしょう。タイワニーズが乗り越えてきた苦難に触れることで、移民問題や国籍について考えてみるきっかけになるのではないでしょうか。
by緑が丘図書館 ぐりも
司馬遼太郎/著 文芸春秋
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじ
この本は幕末の風雲児、吉田松陰と高杉晋作の生涯を描いた小説です。英雄と名高い彼らですが、この作品では一味違った姿を見ることができます。長州という藩の特性、家族の在り方、師の教えを通して、いかにして彼らが時代の先駆者となっていくのかが描かれています。作品後半は、松陰の死に強く動かされた高杉晋作が、元来の大胆さと型破りな行動力で倒幕へと突き進みます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おすすめポイント
幼いころからずば抜けた頭の良さで神童とうたわれた松陰ですが、その人柄はストイックで純朴、度が過ぎるほどのお人好しです。その純粋さが、死してなお弟子たちに多大な影響を与え、時代を大きく動かしていきます。人生において、はたして、人と人が出会うというのはどういうことなのかと改めて考えさせられる作品でもあります。また、司馬遼太郎の歯切れのよい文章が、激しい時代の流れを生き生きと伝えてくれます。明治維新前後の歴史が複雑で覚えられないという人は、ぜひこの小説を読んでみてください。教科書に載っている人物が小説の中でドラマチックに動き出し、自然に頭に入ること間違いなしです。
by緑が丘図書館 K